海外進出の前に知っておきたい|現地を知るための市場調査入門

行く前に調べるか、行ってから悩むか。

No.03

店頭を見れば市場がわかる?|海外の小売店調査で押さえたい5つの視点

店頭を見れば市場がわかる?|海外の小売店調査で押さえたい5つの視点

売り場は、市場の縮図

海外市場への参入を考えるとき、現地の小売店を見ておくことの重要性は、多くの担当者が実感するところでしょう。売り場には、価格、品揃え、販促、顧客層といった市場の情報が凝縮されているからです。

一方で、ただ店を歩くだけでは、見たものが記憶に残らず、持ち帰れる情報も限られてしまいます。調査として店頭を見るなら、あらかじめ視点を決めておくことが大切です。

本記事では、海外の小売店調査で押さえておきたい五つの視点を整理して解説します。

視点1|価格と販促の実態

商品ごとの価格帯を記録する

同じカテゴリーの商品でも、価格帯には幅があります。商品名と価格をセットで撮影・記録し、どの価格帯に商品が集中しているのかを確認することで、自社商品の価格設定の参考になります。

値引きやキャンペーンの表示を確認する

特売表示やまとめ買い割引、ポイント施策など、販促の手法にも国ごとの特徴があります。売り場でどのような表示が使われているかを見れば、現地の商習慣が見えてきます。

視点2|陳列と売り場の位置

どの棚、どの高さに置かれているか

目線の高さにある棚や、通路の端のコーナーなど、陳列位置は商品の売れ行きに影響します。競合商品がどの位置を占めているかを確認することが重要です。

売り場全体の中での扱われ方

専用の売り場が設けられているのか、他のカテゴリーと並べて置かれているのかによって、そのカテゴリーの市場での位置づけが読み取れます。

視点3|パッケージの表示内容

商品名とメーカー名、生産拠点

パッケージには、商品名やメーカー名、原産国や生産拠点といった情報が表示されています。競合のメーカーや、製造の拠点を知る手がかりになります。

容量や訴求の仕方

容量やサイズ展開、パッケージ上で強調されている特徴は、現地の消費者が何を重視しているかを映し出します。自社商品の仕様を考える際の比較材料にもなります。

視点4|競合商品の品揃え

カテゴリー内のブランド構成

現地メーカーの商品が中心なのか、海外ブランドも多く並んでいるのかを確認することで、市場の競争環境が見えてきます。

日本の商品の有無と扱われ方

日本から輸入された商品が並んでいるかどうか、どのような位置づけで売られているかも、参入の可能性を考える上で重要な手がかりです。

視点5|来店客や店員の声

来店客の様子を観察する

どのような年代や性別の人が、どのような商品を手に取っているのかを観察することで、購買層のイメージを具体化できます。

店員への簡単なヒアリング

売れ筋や、最近よく聞かれる商品について店員に尋ねると、棚を見ただけでは分からない現場の感覚を得られることがあります。

店頭調査を進める際の注意点

撮影やヒアリングのマナーを守る

店舗によっては撮影が制限されている場合があります。事前に許可を確認し、営業の妨げにならないように配慮しましょう。

複数店舗・複数業態で見比べる

一つの店舗だけでは偏りが生じます。スーパーやドラッグストア、専門店など、業態の異なる複数の店舗を比較して見ることで、より客観的な理解につながります。

店頭調査の前に決めておきたい準備

調べる商品カテゴリーと店舗を決める

店頭調査を始める前に、どの商品カテゴリーを、どの業態の店舗で確認するのかを決めておきます。目的が定まっていれば、売り場で目移りすることなく、必要な情報を効率よく集められます。

記録の形式を用意しておく

商品名、価格、陳列位置、販促表示、メーカー名といった記録項目をあらかじめ表にしておくと、店舗ごとの比較が簡単になります。写真とあわせて同じ形式で残すことが、後の整理を楽にします。

店頭調査で得た情報の整理方法

写真に店舗名と日付を残す

撮影した写真は、どの店舗で、いつ撮ったものかが後から分からなくなりがちです。店舗名や撮影日をあわせて記録し、価格や販促は時期によって変わることも踏まえて扱いましょう。

価格や仕様を一覧表にまとめる

商品ごとの価格、容量、メーカー、原産国などを一覧表にまとめると、価格帯の分布や競合の傾向が一目で分かります。自社商品の位置づけを考える上で、そのまま会議資料の土台にもなります。

店頭調査だけでは分からないこと

売上や購入理由は見えにくい

売り場に並んでいる商品が、実際にどれだけ売れているのか、なぜ選ばれているのかは、店頭を見ただけでは判断できません。陳列の広さは目安にはなりますが、売れ行きとは別の話であることに注意が必要です。

他の調査と補い合う

生活者へのインタビューやアンケート、現地の専門家への取材などと組み合わせることで、店頭で見た事実の背景を読み解けます。店頭調査は、他の調査と補い合って初めて力を発揮します。

まとめ|視点を決めて見ることで、売り場は情報の宝庫になる

価格と販促、陳列、パッケージ、競合の品揃え、そして来店客や店員の声。この五つの視点を意識して売り場を見るだけで、店頭から得られる情報の質は大きく変わります。

海外市場の調査では、店頭で見たことを写真と記録で残し、後から整理できる形にしておくことを心がけてみてください。

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